大変さ

理学療法は運動・物理療法を中心に展開していきますが、手術や薬剤などと異なり、結果が出るまでにある程度の時間がかかります。
リハビリを始めたからといって、数日で症状が良くなってぴんぴん動けるようになるということは現実的には有り得ません。
理学療法士は患者とともに数ヶ月の訓練を行って、ようやく身体が動かせるような状態になっていくということも稀ではありません。
また、理学療法士の仕事は身体の状態を良くするのではなく、現状を維持することが目的になっていることもあるため、
絶対に正しいと言われる訓練をしたとしても、それが形になってあらわれていくのは、数ヶ月先になっていくことも多くあります。
そのため、理学療法士は自分が必死に考えた訓練プログラムも「何がいけなくて、どうすれば良いのか」ということを、
何度も何度も考察しなおして最善を尽くしても、それが必ず報わるという保証もありません。
そこが、理学療法士としては、辛くもあり、大変な点であるといえるでしょう。

また、理学療法はしっかりとした学問であり、方法論も定まっていますし、
理学療法士であればそれらを深いところで理解しておかなければいけないものです。
しかし、細かい理論や個別の治療方法などの話になっていくと、統制をとることはなかなか難しいこともあります。
身体や動作が全く同じであるという人は絶対にいません。
同じ病気やけがをしたからといって、全く同じ治療プログラムが適用できるということも有り得ません。
その患者の動作を見極めて、十人十色の治療計画をねっていかなくてはならないのです。
そして、治療方針の違いによって、派閥のようなものが存在していることもあります。
人々の考えの多さや食い違い、そして衝突などによって自分の思う最善の治療計画を実施することができない場合もあります。

そして、病院の職業というと医師や看護師のイメージは強くありますが、理学療法士の知名度はまだまだ低く、
患者に医師と勘違いをされて、理学療法士の権限外のことを要求されることもあります。

将来性

4人に1人が65歳以上の高齢社会に突入した日本においては、近年、理学療法士が徐々に注目され始めた職業でもあり、
以前に比べて社会的にもしっかりとした地位が確立されてきています。
その資格は国家資格であり、活躍の現場が病院や老人ホームなどであることから、
資格取得を考える人達のなかでも人気が高いといえるでしょう。
それを表すかのように、近年は理学療法を専攻できる専門学校や大学もその数を伸ばしており、
多くの人が資格を取れるような時代になってきています。
理学療法士の資格は、決して楽に取れる資格ではありませんが、学校数が増えているということは窓口が広いこととなり、
結果的に資格を取れる人が多くなっているという現状があります。

理学療法士が増えるということは、一見すると非常に良いことに思えますが、不安要素にもつながります。
要するに、希望する人が多くいるということは、就職する時にライバルが増えて、自分の希望する場所に就くことが難しくなります。
高齢社会に伴って、就職場所は増えているといっても、自分の希望に合う職場に就けるのは至難の業となってくるかもしれません。

また、高齢化社会が進む中で、リハビリの分野はこれからも大きく発展する可能性があるため、
それにしっかりと乗り遅れないようにすることができれば、あるいは自分の工夫で新しい分野に興味を持っていければ、
新たな理学療法論を確立できる可能性も十分秘めているといえるでしょう。しかし、理学療法士になるのは簡単なことではありません。
時間もお金も必要になってきます。興味があるがそのせいで一歩踏み出せない人もいるかもしれません。
しかし興味を持つことができたのであれば、挑戦してみるべきと言えます。
理学療法士の将来性が気になってしまうこともあるかもしれませんが、理学療法士としての職業の魅力は非常に高いものがあります。
他の資格との相性もよく、意識を高く持っていれば仕事の可能性はどんどん広がっていくことでしょう。

仕事内容

理学療法士としての主な仕事内容をご紹介したいと思います。

理学療法士の勤務先は病院や老人ホームなどの施設であることが多いのですが、
そこの利用者さんの日常生活への復帰を支援・指導していくこととなり、
いわば「急性期」の状態から使用者さんと関わりを持っていくことが多くあります。
よく「急性期」「回復期」「維持期」という言葉を目にしますが、これは患者さんの回復段階を示しており、
病気の発症や事故・手術の直後である「急性期」には、まだ安静を必要とするため、
理学療法士は医師や看護婦などとともに簡単なリハビリを行います。
次の段階である、病気やケガの状態が安定して機能回復や能力改善を目的に理学療法が積極的に行える「回復期」には、
理学療法士が最も重要な役割を担い、患者それぞれの状態を的確に把握してその人に合った治療プログラムを作成・実行していきます。
そして、回復した状態が低下していかないようにするための「維持期」には、患者さんがこれから生活していく環境を見定めて、
できる動作を減らさないようにしっかりとサポートするリハビリを行います。

これまでは、ある程度病状が落ち着いてからリハビリを開始することがほとんどでしたが、
長期臥床の状況をつくってしまうと結果的に身体の機能や筋力も低下してしまい、回復するまでに時間がかかったり、
できる動作を減らしてしまうことに繋がることがまかってきたため、近年、リハビリはできるだけ早く始める方が、
患者の今後の様子により良い影響を与えることがわかってきており、全体的に早期からリハビリが開始されるようになってきています。
それによって、患者の病状や禁忌をしっかりと把握していないと安全なリハビリを行うことができません。
そのため、理学療法士は医師や看護師たちと医療チームの一員として、病室での普段の様子や状況の情報収集も行い、
場合によっては知識を借りたりしながら助け合える関係性をきちんと築いておく必要があります。

勤務先

理学療法士の治療対象者は、事故や病気によって障害や麻痺を負ってしまった患者さんに対して、
自立した日常生活ができるようになるために訓練をすることが主な仕事ですが、老人ホームや介護施設などで、
加齢によって寝たきりになってしまったなどの生活改善を図るために勤務する場合も多くあります。
また、少し特殊ですが、新生児で心疾患がある子供に対しての改善リハビリをしたり、
先天性奇形を持つ小児に対してリハビリを行ったりする場合もあるため、対象者が成人や高齢者のみというわけでもありません。

理学療法士には開業権がないため、基本的には病院・クリニック・介護保険施設で勤務する場合が最も多く、
それらに付随するデイケア・デイサービスの専任になる場合もありますし、最近では訪問リハビリテーションの分野も増えてきています。
その他にも、児童福祉施設や身体障害者施設などもありますし、
数年の臨床経験があれば専門学校や大学などで教官としても勤務できますし、
スポーツ・フィットネス施設で働く理学療法士もいます。スポーツ分野の場合は、
プロ野球やJリーグチームに就いて選手が負傷した際の復帰までのプログラムを組んだり、
ケガをしやすい選手に対してどうすればケガを減らすことができるのかを動作分析をして指導したりします。
それによって、選手寿命が格段に違ってくるという選手もいます。

また、給与面に関してですが、職場個々の状況で違いますので一概にひとくくりにすることはできませんが、
平均すると月収23〜27万円で年収350〜500万円となっています。
決して高給なわけではありませんし、休日に関しては基本的に会社員と同じ土日休みが多いのですが、
その休日などに研究会や学術会などが多く開催され、そういったものに参加していないと、どんどん現在の医療に置き去りにされてしまいます。
このようなことから、独身の場合は十分に生活をしていけますが、
家庭を持つ段階になった時には非常に厳しい状況になる可能性があることは否めません。

やりがい

理学療法士は、理学療法士では特に運動学に関することや動作の分析に関することを深く学ぶことになります。
そのためには、高度な専門的な知識が必要であり、専門的な学校でそれらを習い、臨床現場で実践していくということになります。

人にはそれぞれ固有の特徴動作があり、その動作を的確に見極めて分析し、
正しい動作や体に負担をかけないためにはどうしたらいいか改善案を考えることが重要となってきます。
一見すると非常に大変なことのように聞こえますが、
1つひとつポイントをつかんでいくことで一連の動作を流れるように見ることができるようになる場合もあります。
その際、理学療法士にとって非常に重要なポイントとして、「些細な動作を見逃さない」という点があります。
これを意識することができるようになると、普段街中を歩いていても周りの人の歩行動作から何気ない動作におけるまで、
不自然さを分析・解明していくことができ、そこから、
自分の担当患者のリハビリ目標に対して新しいアイデアや計画を練っていくこともできるようになります。
リハビリをして成果を出すことも理学療法士の大きなやりがいとなりますが、
問題解決の突破口を見つける瞬間というのも、やりがいを感じる瞬間の1つとなります。

理学療法士が患者に動き方を教えることで、日常的な痛みを感じなくなる、または緩和されていくという人は多くいます。
また、身体に痛みを感じている人の場合では、慢性的な痛みになってしまっていることもあります。
理学療法士のリハビリで取り入れられる訓練というのは、日常的な動作を利用していることや、
あるいは非常に基本的な動作によって展開されることも多いです。

【私のおすすめ求人サイト】

理学療法士ならPTOTSTワーカー

そのため理学療法で行ったことがそのまま生活に活きてくるということも珍しいことではありません。
理学療法士のほんの些細な一言がその人の生活の質を良いものにしていくということもあるため、
このような時にも理学療法士としてやりがいを感じていくことができるでしょう。

理学療法士と近似する資格

理学療法士が行う内容と分野が近かったり似ている資格がいくつかあります。
その中でも、理学療法士と作業療法士は類似している点が非常に多く、詳しく知らない人からは2つとも同じに感じられてしまいます。

理学療法士は、物理的かつ運動的な治療方法を活用することで、主に身体的な症状や障害に対してアプローチしていくことが多くなります。
そのため、スポーツや整形外科などに関わることも多く、そのような面では作業療法士よりもずっと専門性が高いといえます。
対して、作業療法士は身体領域であっても、身体的なリハビリと同時に趣味などを通して心理的な負担を減らすということを基礎に、
精神科に大きく関わることも多く、心理的な面をしっかりと見て行く必要がある職業です。
その点においては、理学療法士よりも専門的といえるでしょう。しかし、理学療法士も身体障害に特化しているとはいえ、
当然ながら障害受容などの基本的な心理面はしっかりと勉強をしていくことになりますし、
患者さんの心理状態をしっかりと把握することは大切なため、そちらもしっかりと学んでいます。

また、リハビリを主に行う部位も異なってきます。理学療法士は体幹となる部分や腰から下のリハビリを担当することが多いですが、
作業療法士は肩から先、指や手首、肘などのリハビリを担当することが多くなります。
それは、理学療法士は主に日常生活動作を改善するための訓練を担当し、
作業療法士がその回復した後に更に生活の精度をあげる訓練を主に担っているからだといえるでしょう。

これらのように、理学療法士と作業療法士は非常に近い分野を担当しているため、
勤務先によっては理学療法士が作業療法士の分野を、作業療法士が理学療法士の分野を担うということも少なくありません。
そのため、自分たちの分野だけでなく互いの専門領域もきちんと把握してこなせるように準備しておかなくてはならないといえるでしょう。

理学療法士とは

「理学療法士」という名前自体は聞いたことがある人も多いと思いますが、どこにいる人で何をする職業なのかをご紹介したいと思います!!

まず、理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれています。
不慮の事故や突発的な病気の発症によって、ケガや病気などで身体に障害のある人や、
もしくは障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る・立つ・歩くなど)の回復や維持、
および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱・電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、
自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリ テーションの専門職です。
治療や支援の内容については、理学療法士が対象者を担当して、医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、
それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成します。というように、少し難しいことのように聞こえますが、
理学療法士を一言でいうならば「動作の専門家」です。
寝返る・起き上がる・立ち上がる・歩くなどの、普通の人が普段普通にしていることを行えない人に対して、
日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指します。
関節はどの範囲まで動くのか、筋力はどれくらいあるのか、麻痺がある時はどの程度のものなのか、
痛みはあるのか、など入念にチェックしてそれらを改善できるように、運動機能に直接働きかける治療法を行ったりします。
他にも、先ほど挙げた動作が上手くこなせない人に対しての練習や歩行練習などの能力向上を目指す治療法を行ったりもします。

理学療法士になるためには、国が指定する理学療法士の養成学校で3年以上必要な知識と技能を修得し、
さらには国家試験に合格して免許を取得できます。
また、合格率は平均的に約80%近くありますが、年々その合格率が下がってきている傾向にありますし、
国家試験にたどり着く前の数回行う実習の段階でかなりの人数が絞られてしまうため、
国家試験を受けるに至るまでの人数が限られてきます。

女性の理学療法士

理学療法士に限らず、女性の場合は結婚を機に退職を考えるのはどの職業でもあります。
理学療法士などの医療従事職は、同じ職場や同じ職業の人と結婚する事が多く、医療系の職の人と結婚する人も多くいます。
そのため、結婚後の生活について、夫が理解を示してくれることも可能性は高くなりますが、
夫と妻の両方が就業時間の不規則になりやすい医療職ということで、お互いの生活時間がずれてしまい、
家庭としてしっかりと築いていくことがなかなか難しくなることもあります。
また、子どもが生まれた場合は、より一層共働きは難しくなっていくため、
結果的に女性の理学療法士で結婚を機に退職を決断する人は少なくありません。
しかし、高齢社会に伴って、例え転勤族の夫だったとしても就職先に困ることは少なく、
むしろ様々な理学療法士としての経験を積むことができるため、女性の有資格者としては有利であるといえます。

女性の有資格者は結婚や妊娠を機に退職しても、家庭内が落ち着き、
自身のやりたいことができる環境が整った時に復帰をする割合が非常に高くなっています。
また、育児休暇を男性の理学療法士が取ることも多くなってきており、
必ずしも結婚をしたら退職をしなければいけないという風潮はかなり小さなものになっています。

理学療法士の資格は半永久的で例え一度離職してしまったとしても、
ある程度の経験があれば職場復帰もしやすいという利点はありますが、医療業界は日進月歩であり、
患者の命に直接影響を与えたり、予後を左右する重要な立場であるため、復職にあたってはかなりの努力は必要となります。

また、出産や育児を通して成長した女性だからこそ出せる、女性らしさや母性としての優しさをリハビリの現場でも大いに生かすことができます。
まだまだ医療従事職としては男性の多い職種だからこそ、女性らしさが求められる場面も少なくありません。
理学療法士は力仕事が多く、女性の理学療法士は働きにくいと思われている方も多いかもしれませんが、
女性が出産後も長く活躍できる職種であることは間違いないでしょう。

社会人からの転職

理学療法士になるためには、専門学校または大学の専門課程を3年以上学び、
特定の実技実習をクリアして、なおかつ国家試験に通らなくてはなりません。
そのため、高校を卒業してから4年制大学と同じように通う人がほとんどですが、近年は夜間部を併設する学校も多く、
10年ほど一般企業で社会人をしてから理学療法士に転職をする人たちも非常に増えてきています。
その夜間部に通う場合は授業が夕方からとなるため、朝から夕方まで会社で働いてから学校に通うという「社会人学生」が多くを占めています。

理学療法士は医療従事職とあって、筋や動作分析だけでなく、
神経学検査や麻痺のスケールテストを行ったりと、勉強する内容は医者に近しいものもかなり勉強して覚えなくてはならないことが膨大にあります。
また、学生のうちだけの知識量では、到底臨床現場においては役に立ちませんので、常に勉強会や新しい専門書に目を通していなくてはなりません。
そうなると、ただでさえ膨大な勉強量と勉強時間を必要としていますが、
夜間部の社会人学生の多くが20歳後半から30歳後半と平均年齢も高くなるため、
現役学生よりも記憶することに時間がかかってしまい、更に勉強時間を必要とすることになります。

また、理学療法士の国家試験を受験する過程には数回に渡る実習があり、
その実習には実習生1人に対して必ずスーパーバイザーという指導役がつきます。
そのスーパーバイザーの指導や監視の下で実際の患者さんを相手に評価や治療を行いますが、
学生ですので分からないことや間違えてしまうことばかりです。
その際に、スーパーバイザーに厳しい指導をされることがありますが、
若い現役学生の場合はそれを素直に受け入れられことがほとんどです。
しかし、40歳前後の社会人学生の場合に20歳前半のスーパーバイザーがつくとなると、
「自分より年下に指導されるなんて」と指導を素直に受け入れられないことが起こります。
自身が学生という立場であるとの認識が低いとなかなか難しいため、それが原因で断念してしまう社会人学生も多く、
全体的に社会人からの転職組は現役学生に比べて難しい部分が多いといえるでしょう。

スポーツ現場

理学療法士の勤務先で最も多いのは、病院や老人ホームなどの施設で、
対象者も比較的高齢の患者さんを相手にすることがほとんどですが、
急性期の患者を多く受け入れている病院や発展した大きな規模の病院などに勤めた場合、
中・高・大学の学生や20歳代の若者を担当することもあります。
そのような患者の場合の多くは、部活動や地域のクラブチームでのスポーツ中での負傷で訪れます。

理学療法士の中には、元々部活動を熱心に行っていたり、
現在も休日は地域チームに入って運動しているという人も多くいますし、
理学療法士を目指すきっかけが「自分がけがをした時にお世話になったから」という人が多く、
そのことから就職先としてスポーツ外来や整形外科などに就き、スポーツ現場に携わりたいと希望します。
その場合、理学療法士はリハビリ職というよりもスポーツトレーナーとしての意味合いが強くなり、
筋肉の疲労を取ったり、より機能的に筋肉が働けるように調整していくように動作の指導や補助を行います。
この分野に就くためには、特殊な理学療法士の資格を持っていないといけないということではありませんが、
理学療法士の資格を得るまでに学ぶことはスポーツトレーナーとしても非常に活きてくること内容があり、十分に活躍することができます。

現場としては病院の他にも、スポーツチームに専属で就き、サポートを行うこともあります。
そこでの理学療法士の活躍次第でケガをした選手の予後が良好になったり、
選手生命が格段に伸ばすことにも大きな影響を与えることになります。
スポーツ選手を診るにあたって重要なことは体の筋の配置や役割を十分に理解していることが必須であり、
アスレティックトレーナーと近い職業である理学療法士は重宝されていますが、
元々理学療法士を必要とするスポーツチームの絶対数が非常に少なく、
その現場を希望する理学療法士も多いため、スポーツ現場を希望してもなかなか就くことは難しくなっていますが、
地域のスポーツチームなどに地道にアピールをして採用されるというケースもあるようです。

No newer/older posts